私は幼少期から家を見るのが好きで、気づいたら建築物に興味を持ち、工業高校の建築科に進学。ですが、卒業後は建築分野と縁遠い生活を送っていました。するとある時、先輩が建築と関わっていきたいと思い続けている私の心中を察して背中を押してくださったのです。それから本格的に建築について学ぶ意欲が湧き、通信制の大学に通って知識を身につけようと思いました。学校選びでは仕事と勉強の両立ができることを最優先の条件に定めており、その点、本学は居住地から近く、スクーリングや試験にも参加しやすいと思い、迷うことなく選ばせていただきました。

課題が与えられた時は、仕事と日々の勉強と並行して取り組まなければならず、一気に多忙になります。課題は一両日中に完成させられるものではありません。ある程度長い制作期間を確保することが重要。製作中はいかにモチベーションを保ち続けるかもポイントでした。自分との戦いになりますが、それに打ち勝って課題を提出した時は、夢に向かって一歩前進したと心から思えるので達成感が得られます。その積み重ねが学習意欲を持続させる原動力となりました。

普段使うテキストの理解をうながすための参考資料や小テストなどが受けられる「ｅラーニング」システムが役に立ちました。ほかの学生が先生に問いかけた質問とその回答も見ることができるので、多くの疑問は解決されます。

参加前はどんなことが学べるのだろうという楽しみがある反面、勉強についていけるのだろうかという不安もありました。実際に参加してみると先生は気さくな方々ばかりで、不安もすぐにやわらぎました。何より驚いたことは初日の自分と3日目の自分のレベルの差です。短期間なのにこれほど大きな成長を実感できるとは思ってもみませんでした。

最初は建築士の資格を取ることは壮大な夢のように感じていたのですが、今では実現すべき確かな目標に変わり、勉強意欲が増しています。と同時に、自分が学ぶべき領域がまだまだ残されていることもわかり、もっと勉強に打ち込まなければと背筋が伸びる思いです。当初は困難に感じることでも、地道に挑戦していけば、道が開かれることがわかりました。ですから、可能性が残されている限りは、諦めずに継続することがとても大切。この気づきは、仕事、そして生きる上でも役立つと思いますので、これからの人生で高いハードルが立ちはだかっても、ここでの経験を思い出して乗り越えていきたいです。