東京近郊の市街地は、 活性化に向けた策として再開発が行われている。 高層マンションには一時的に人が入るが、 コミュニティを創出する場がなく人との繋がりが希薄になっているがゆえに住み続けたいと思う街づくりができていない現状である。
千葉県市川市本八幡駅北口も再開発が連続的に進行しているが、 人間関係は希薄で家族が増えたら他市に転出するケースが多い。 駅周辺の公共施設も更新されているが人との繋がりがなく、 施設に人が集まらない。 本八幡地区は、 平安時代に創建された葛飾八幡宮を中心に街づくりが行われ、 再開発前は寺社やその祭礼運営にあたる商店街がコミュニティの中心となり人間関係が構築されていた。
そこで、 かつては街の中心であった寺社にコミュニティ形成の場としての価値を見直し、 八幡宮参道を拠点に人間関係を構築できる街づくりに繋ぐにぎわいの場を創出する複合施設を設計する。
COMMENT.
八幡さんの参道を活用して繋がる装置に仕立てている。プレゼンテーションはとてもきれいでよくできている。八幡さんに行くことを生活の中に落とし込むことは結構大変、もう少し高齢者が日常的に利用する場所を考えてはどうだろうか?(谷村留都)
鉄道で分断している参道を立体通路で復活させ、回遊性のある施設の提案であるところが面白く、うまく計画されています。また、熟考の上、膨大な作り込み作業が提案に感じ取ることができます。八幡さんどと八幡宮は一体的な施設であるので、配置図に八幡宮のを描くことで八幡さんどの存在性が示すことができると思います。参道を視点に、八幡宮を焦点としたパースや模型写真を見たかったです。(岩崎哲也)
とにかく模型の完成度に感服しました。これに掛けた労⼒だけでもこの作品への情熱が伝わってきます。それだけでなく、敷地の読み取りにおいては空間的にも時間的にも俯瞰して分析できています。計画としても⾮常によく考えられており、特異な形態をバランスよくまとめるデザイン⼒も秀逸だと感じました。また、模型表現だけでなく、プレゼンシートのまとめ⽅も⾮常にわかりやすく、センスを感じます。何より、「⼋幡さんど」のロゴデザインが気に⼊りました。全体的にバランスよく⾮常にすぐれた作品であると評価し、2票を⼊れました。(奥井康史)