卒業研究

卒業研究 2020年度

建築学科 卒業研究作品 一覧

作品01

サンプル画像1

作品02

サンプル画像2

作品03

サンプル画像3

作品04

サンプル画像4

作品05

サンプル画像5

作品06

サンプル画像6

作品07

サンプル画像1

作品08

サンプル画像2
過年度の卒業作品はこちら


卒業制作 01
  • 画像1
  • 画像1
  • 画像2
  • 3
  • 4
  • 5
SUSTAINABLE RESIDENCE 循環し変わり続ける建築

小林萌愛/ 東京

昨今社会で「空き家問題」は深刻化している。周りを見渡せば必ず空き家や空室、空き地など様々な「空き」が存在してしまっている。地方の人口減少や、高齢化社会問題、空き家の管理や活用の問題など様々だが、その「空き」たちはいずれコインパーキングなどになってしまうのが現状である。しかしそのようなままで果たして良いのだろうか。空き家となる主な原因は「使わなくなる」ということである。かつてはそこに住んでいたものの、生活リズムが変わり、生活スタイルが変わるとその場所は窮屈、あるいは持て余すことになる。そしてそこを去り空き家となる。このサイクル繰り返しで今の住宅の空き家の問題は年々深刻になっている。
そこで、生活スタイルが変わってもいつまでも同じ場所に住めるような建築を構築していく必要がある。生活に合わせて簡単に増減を繰り返すことができ、自分のスタイルに合わせて循環し変わり続ける建築があれば人々はその場を去ることなく、住み続けることができるのでは無いだろうか。
主な計画は、住み手が空間の取捨選択を容易に繰り返すことのできる集合住宅の構築である。生活スタイルにあった空間の選択またはその大きさ、デザインの選択など住み手は今住みたい住宅の姿をカタログの中から選んでいく。そして生活していく中でさらに必要となった空間があればまた増やすことができるし、必要がなくなれば返却することができる。ずっと同じ場所に住みながらも、建築は循環し、人の生活に追従していくように変化していく。
この建築は場所を変えることなく変化していく。そこに住まう人の生活の変化に追従し、簡単に選択、返却を繰り返すことができる。都市の空洞化の根源であった空き家問題。いつまでも、時が経つほどに魅力的に生まれ変わっていくこの建築が、問題解決に向かう第一歩になるのでは無いだろうかと考える。

COMMENT.
紙面レイアウトや表現、色使いにセンスを感じます。模型も表現がしっかりできていると思います。これだけ多くの家族の物語をイメージしながら空間を創造する力と熱意にも共感しました。ひと家族の住⼾でもよいので拡大して更に細部まで検討できると案が深まったのではないかと思います。
なお、「住みたい住宅の姿をカタログから選ぶ」という表現に違和感を感じました。私自身は、その人に合った豊かな空間をつくることで設計の力を発揮したいと思っています。仮設住宅の提案であれば実現性も高いかもしれないと思いました。




卒業制作 02
  • 1
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
よりまち 〜寄り道のためのまち〜

山下愛未/ 東京

仕事帰り、学校帰り、塾帰り・・・何となく寄り道したくなる街。そんな街は、楽しくて豊かで、心地よい街ではないだろうか。昔、夕暮れまで人々の気配で溢れていた松山市街のように、現代にそれ以上に楽しく、松山らしい寄り道を造る。

COMMENT.
独特の世界観を持つ手描きスケッチの迫力と数に圧倒されました。模型も非常によくできていて、アクティビティが伝わってきます。アナザースクールの断面図もワクワクするような空間が感じられます。地上の建物の形態にももう一工夫があるとさらに良くなる気がします。
ランドスケープの形状は、周辺の構造建物との対比を狙ったものだとは思いますが、あまりにも違い過ぎて、異次元のテーマパーク的な感じがしました。少しだけでも関係性を意識すると次元がつながる気がします。



卒業制作 03
  • 1
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
一 KUMO-発達障害のための空間的配慮

大⻄真一/東京

発達障害はしばしば」凹凸障害」と呼ばれることがある。ある分野では秀でた能力を発揮する一方で、対人コミュニケーションや集団行動、整理整頓等を苦手とする傾向が非常に強い。特に対人??コミュニケーションの苦手さゆえに、周囲から誤解されてしまい、生きにくく感じている人も少なくない。この設計では、彼らが社会と調和するために、「自分と他者との適切な関わり方」を学ぶ、いわば発達障害者のための社会学習装置」である。
凹凸障害の凸の部分を「ひかり」と例えると、その反対の凹の部分はひかりを隠す「くも」に似ている。くもに隠れたひかりは、なかなかみんなに気づいてもらえない。それでも、くもの切れ間からひかりが漏れる、そんな発達障害施設があれば、そのひかりの正体を見にみんなが来てくれるのではないか。そう思って「くものような建築」を考えた。インテリアを外構と同じようにボリュームを積み重ねるようにして、もくもくとしたくもを表現している。
COMMENT.
何故このテーマを選んだのか聞きたくなるような、社会派のテーマに興味を持ちました。
正直なところ、何故、雲が四角いのかなど「くも」をテーマにコンセプトをつくったところは無理やり感を感じ疑問を持ちましたが、高低差のある難しい敷地に立体的に空間を構成する力は素晴らしいと思いました。また、四角いボリュームの組み合わせ方や窓の開け方にはバランス感とセンスを感じます。平面図が小さくわかりにくいのは残念でしたが、拡大してみると考えていることが良くわかり、パースや模型もイメージした空間をしっかりと表現できています



卒業制作 04
  • 1
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
街の「便利」と街の「魅力」 〜変化に合わせたこれからの場所〜

岡澤栞太/ 福岡

地域住人が集うきっかけとなる場所を計画した。 日常生活の通勤・通学の中での人と人の関わり方、 人々の休息のあり方を再検討した。 この場所では訪れた人(利用者)がそれぞれの目的をもって道を歩き、 興味を惹かれ寄り道をする。 何気ない日常のなかで時間を忘れふと休息をとる。 そんなちょっとした 「たまり場」 のような場所。そのなかで人と人が出会い、 繋がりが生まれる。 この繋がりが 「賑わい」 となり 「光」 となる。 この光が訪れる人を包み込み歩くことに目的を与ええ、 楽しさを感じさせる。
昔のようなご近所付き合いが失われた今、 新たに人と人が繋がる場所を設け、 ベットタウンとして成長してきたこの街がこれからの働き方の変化などによる社会的な変化に対応し、 今後も成長を続けるためには今までとは違った街の魅力を引き出していくことが必要になる。
<COMMENT.
空気感の伝わるパースをたくさん描いていて、空間のイメージが良く表現されています。
ただ、地上の建物が同じ大きさの四角い箱を置いているだけのように見え、形状をもうひと工夫すると更にこの空間の魅力が増す気がします。



卒業制作 05
  • 1
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
みちや 〜山⼝らしい⽇常を彩る「ミチ的風景」を紡いでいく提案〜

中村 航/ 福岡

かねてより「道」は人々や物流の往来、様々な活動の場であり入り混じるような場であった。朝市や露店、道路で遊ぶ子供たち。道は交通のインフラであると同時に人々の「生活の一部」であった。近年のモータリゼーションの発展に伴い、自動車交通が中心となり生活の場がなくなりつつある。かつての道沿いの「生活の風景」はどこに行ったのだろうか。自動車交通が主流になる地方でこそ膨らみのある生活の場が求められる。そんな風景を「道と建築」をとおして再起することはできないだろうか。
COMMENT.
計画地の歴史や街並みの調査から発案していて、町への愛着を感じます。分断された屋根が連なる姿からは、建築的バランス感覚を感じます。模型からもヒューマンスケールでの昭和の活気のようなものが伝わってきます。ただ、模型のイメージからか、バラック的な感じもし、もう少しスマートなデザインと賑わいを組合せる提案があっても良かったと思いました。
また、この提案がまちのひと区画だけであることが残念で、もっと広域に広がる提案であるとさらに効果が増すと思いました。



卒業制作 06
  • 1
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
やまものがたり 〜⾦⽣山再⽣計画〜

大石啓明/名古屋

金生山は記録があるだけでも壬申の乱以前、およそ 2000 年もの間鉄鉱石や石灰石の産地として利用され続けている。 人々が豊かな生活を送る一方で山は削られ続け、 その姿は大きく変わっている。 そんな金生山も今後50年も絶たずして石灰鉱脈は尽きると言われており、跡地の活用や今後の産業について考えなければならない時期にある。
そこで、日本の林業の問題の解決に寄与できる形で山を自然に還していくことで、利用し尽くしてきた山と人間との共存を図る。
これは単に見せかけの緑化計画などではなく、今後人類が自然と共存していくために必要なサスティナブルな提案である。
COMMENT.
非常にスケールの大きな計画で、歴史的背景や土地の特徴をよく調べ、その再⽣計画へと発想した想いの強さに好感を持ちました。再⽣のストーリーとともに複数の施設を、構造や環境もあわせて計画しきった熱意にも共感しました。ただ、各施設のデザインについては、もう一工夫あるとさらに良くなったと思います。それぞれの空間を表現したパースはわかりやすいものでしたが、橋を描いたメインパースがあまり魅力的でなかったのが惜しかったと思います。



卒業制作 07
  • 1
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
島開き、人仕舞い −建築家⽇記に綴る−

宮岡美樹/名古屋

あるひとつの島づくりの記録を、日記に綴る。

島に訪れて感じた、人のシュウマツ。
同時に見えてきた、島のキボウ。

建築の行為を通じて、島の人と繋がり、共に島を造り上げていく。

島は人々を受け入れ、
人々も島を包み込む。

ここで生きた人たちの、記憶と共に。

島と眠り、島でこれからも生きていく。

そのために私にできたこと。

COMMENT.
島の未来、島に住む人々の未来に対する強い想いを感じることができる作品で、大変好感を持てました。柔らかいスケッチや模型のつくり込みからも、ものづくりに対するセンスと熱意を感じます。単体の建築においても、更に計画やデザインを追及して設計すると説得力のある提案になると思います。建築設計をする上で最も大事なのは、設計者が強い想いと熱意を持つことだと思います。建築計画力はまだ十分ではないと感じましたが、人を引き付ける物語をつくる想いとセンスは秀逸で、良い設計者になれると期待しています。なお、模型写真の背景にも気を遣うと、見る人がもっとこの物語の世界に引き込まれると思います。



卒業制作 08
  • 1
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
波打ち際の駅 〜人⼝減少社会の交通拠点をつくる〜

山中友紀/名古屋

私が暮らす山口県柳井市は日本中どこにでもある少子高齢化・人口流出に悩む地方の町の一つである。モータリゼーション化が進み、公共交通の利便性は悪く駅前は閑散としている。
今後ますます人口が減っていく町で、人が集まる場所を拡散させること、車頼みの生活を送ることはデメリットにしかならない。
本設計では柳井市を縁どる瀬戸内海沿いの緩やかな曲線を建築に落とし込み、「電車に乗る場所」でしかない柳井駅が「人が来る交通拠点」となる建築を提案する。
COMMENT.
最近、建築のプログラムを重視した作品が多い中、建築デザインに真っ向から取り組んだ作品であり、好感が持てました。2つの円形を組み合わせた思い切った形態もすがすがしさを感じました。ただ、南側が大階段2つでおおらかにデッキにつながるのに対し、北側のデッキと地上とのつながりが希薄な意図が読み取れませんでした。
また、パースのコントラストがすがすがし過ぎ、ディテールがないため、魅力が半減した気がします。模型や立面図の方が魅力的な建築を想像させます。更にデザインにこだわって追求することで良い案になる可能性を感じます。

過年度の卒業作品はこちら