卒業研究

卒業研究 2019年度

建築学科 卒業研究作品 一覧

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卒業制作 01
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神宮前のみんなの家 日常を共有する温かい商店街

鈴木邦浩/愛知県名古屋市/造園設計施工/40代

商店街を一つの大きな「家」にみたてて商店街の住人と訪れる人々が衣・食・住の日常を共有することでコミュニティが生まれ、みんなで生きているという感覚が生まれることを期待する。これからの人口減少社会において支えあいながら、限りある資源を共有する生活が必要である。神宮の森のようなアーケードの下で商店街の住人と訪れる人々が交流して住みやすい小さな社会をつくる。

PROFILE.

造園の仕事をする中で、建物と庭との繋がりが希薄となっているのを肌で感じていました。庭を通して自然をもっと感じられる住まいを考えるとこができたら素敵だなと思い、自分で建築を学び自分の手で自然と人が溶け合う様な場所をつくりたいと思っています。

COMMENT.
愛知産業大学通信教育部は仕事や家事をしながら様々な立場、環境の中で学習している学生が多く、鈴木さんもそのお一人で造園外構のプロフェッショナルです。
熱田神宮は年間500万人以上の参拝客で賑わい伊勢神宮に亞ぐ由緒の尊い大社で知られていますが、その東側には名鉄線神宮前駅とJR熱田駅に挟まれた商店街がありますが、大変閑散とした状態となっておりこの地域に着眼し“中間領域”をキーワードとし卒業研究を進めています。
一般的に中間領域は屋内と屋外、それらの半屋外空間と捉えることと思いますが、鈴木さんの提案は、リビング、キッチン、食堂、風呂など住宅である本来屋内的要素である日常の生活の場を中間領域として解釈しています。この解釈が設計の幅を広げ新しさを感じます。また、工房、シェアハウス、図書室、ホールなどの多くの人が気軽に訪れる要素も挿入し、より商店街と住人通しとの交流が生まれるようにプログラムされています。
アーチ型フレームデザインは樹木を単純抽象化し対面の熱田神宮の緑と呼応し、ファサードは商店街を豊かに再生しています。屋根面からは木漏れ日のように光を商店街に取り入れることで本設計趣旨である日常の場がより穏やかな空間となっています。
建築デザインが周辺環境、人の流れや居心地、光や風、構造といった複数の事象を一度に解決していることを大変高く評価し、今後、造園だけでなく建築においても更なる活躍を期待しています。(担当教員:濱田修)




卒業制作 02
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ARAKAWA TRAIL ~山なみの先にあるものを求めて~

鈴木奏子/東京都在住/法律事務所職員

荒川のスーパー堤防によって、住民が安心して生活できる一方で、擁壁により地域は分断され、その景観は荒廃感が漂う。そこで、「住宅地と土手とをつなげるスロープによって楽しみながら外部へアプローチする、公園のようにみんなが集まれる場所づくり」をコンセプトとして、特に用事がなくても人々が訪れたくなるような 緩やかな出会いを誘発する、地域へ開かれた施設を計画した。

PROFILE.

子供が独り立ちしたので、何か始めたいと思ったとき、自分が子供のころ、新聞の住宅広告の間取りを見るのが好きで、毎週末楽しみにしていたことを思い出し、建築を学んでみたいと入学を決意しました。スクーリングやゼミを通して、たくさんの同志と知り合い、学生生活を満喫することができました。今後は資格を取得し、建築に関係する事業に関わっていくことが目標です。

COMMENT.
荒川沿いの住宅地と堤防の高低差をゆるやかにつなげる「登山道(トレイル)」を屋根に有したコミュニティ施設の計画である。施設の建築によって、分断されていた敷地の手前のエリアと奥のエリアをつなげるという大きな目的を達成しつつも、スロープの連続が山並みのような外観を生み、施設自体が地域の拠点と呼ぶにふさわしい魅力を備えた建築物になっている点が秀逸である。有事の際には地域住民の避難場所としても機能するであろう。環境造形的なアプローチで建築を計画することにより、人々が自由に行き交うことが可能な開かれた場所が生み出されている。(担当教員:増田忠史)



卒業制作 03
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「AeL」“知と地”育の体験型教育図書館

鈴木徹/埼玉県

人間の生(豊かな生)の礎となる“知と地”育のための体験型教育図書館を実現する。地域の青少年の科学・文化教育、郷土教育、そして全世代の生涯教育を提供する。児童・生徒・学生および成人向けの自然科学・人文科学図書、専門書を備える。書物を手にする動機付けとなる“体験”を提供する。バリアフリーとし、より多くの人に機会を提供する。
上昇は教育・学びによる成長と捉えられる。フロア高構成を工夫してスロープにより回遊しながら上昇する動線を実現して、学びにより一歩一歩、高みへと昇っていく成長のイメージへの同化を試みた。また、上昇(成長)のイメージを端的に表す象徴的施設も設置した。
PROFILE.
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COMMENT.
朝霞市の歴史遺跡に囲まれた台地に計画されるアクティブ体験型図書施設の提案である。鈴木さんが表明する施設機能は図書館であるが、実際の施設の使い方としてはあたかも子ども科学館であったり、体験型研究科学館的で、とてもアクティブな行動を必要とする新たな知育施設である事が分かる。そして建築自体はとても開放的にできており、図書館として書籍を十分に収蔵できるような空間には思えないが、そのガラスの箱のインナーには十分な書籍収蔵空間が確保される。意外なほどに開放的な空間に仕上げられており決して静かに哲学書や科学専門書を読み耽るような施設ではない。下層階から上層階へ上昇するが如く、初等体験から上級体験へレベルがスパイラルに上がるよう動線設計がされてある。またアプローチや溜まり空間にも様ざまな仕掛けが施され、気を抜けないアトラクションが多く待ち構えている。これらのイベントで見学者を決して飽きさせないようテーマパーク的な要素を盛り込んで工夫が施されている。これらの魅力ある多機能な知育情報を効果的に吸収できるように組まれ、更には従来の閉じこもった中で読書にふけるような事のない次世代型の体験図書館としての有り方と新しい空間の施設提案である。屋外でも同様に多機能でアウトドアでしか体験できないメニューが取り揃って有り、上手くランドスケープデアザインと絡まった魅力ある外構空間に仕上がっていれば更に素晴らしい建築になったであろう事は容易に想像できる。(担当教員:白濱力)



卒業制作 04
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街と人をつなぐ街 - 駅周辺の地域活性化計画 -

石橋陸/三重県鈴鹿市/併修生(東海工業専門学校金山校)/22歳

三重県鈴鹿市の白子駅を計画地とする。そこは南北軸に通る鉄道に隣接して、西側商店街を中心とする街、東側商店街を中心とする街の2つの街が存在する。
かつて宿場町などで賑わっていた東側商店街は衰退の一途をたどり、現在は西側商店街を中心に賑わっている。そこで、2つの街をつなぐ街のような建築を計画する。その街の路地には利用者が好奇心を抱く様々な用途の建築が隣接し、建築同士の隙間から通る視線によって利用者を誘導する。常に新しい目的地を目指すという行為の連鎖によって、利用者自身の興味、意思によって東側へアプローチし地域活性化を狙う。
PROFILE.
高校生の頃から建築について学んできましたが、設計課題に対して苦手意識がありました。建築士の資格取得後に苦手意識を払拭して、社会に出たいと考え入学を決めました。スクーリング等の課題によって、プランニングの前に形を「造る」ことから始めることを学び、今までのプランニングに形がついてくるという考え方が覆され、自分の中で設計に対しての見方が変わりました。これから社会に出て設計に携わる機会があった時には、お世話になった先生方や周囲の友人から学んだことを活かし、これからの成長に繋げていきたいと考えています。
COMMENT.
街が路線により分離され雰囲気やイメージ、不動産価値評価が変わる事は少なくない。本設計は分離された街を繋ぐために大きな建築やモニュメンタルな建築にする手法ではなく、街のヴォリュームとのバランスを感じながら、小さな箱のような建築が房状につながりあい双方に貫入されヴァナキュラーな建築となり、地形をつくるように設計することで駅でなく新たな街が生まれた。この建築は単なる接点ではなく分離された街がこの駅を中心として溶け合いながら融合していくようである。(担当教員:濱田修)



卒業制作 05
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思い出と未来の幸福

西尾拓海/愛知県/併修生(東海工業専門学校金山校)/22歳

現在、AIをはじめとする情報技術の進歩は目まぐるしい速度で成長している。数年前には夢物語だった技術を発表し、数年後には実用化と普及が始まることも珍しくない。しかし、技術の進歩と同時に人間の役割は減り続けている。未来において、人間の大部分が機械に代替されたとき、人々は生きがいを持って幸せに暮らしていくためには何が必要なのか。創作活動による自己実現を答えの一つとして仮定し、技術の転換により不要となるガスタンクを創作の場へと造り替える。

PROFILE.
私が建築の設計に興味を持ったのは高校生の頃でした。当時、工業高校の建築科に在籍していた私は、課題で住宅の設計を体験しました。そこで私は設計の楽しさを知り、もっと学びたいと考えました。そして専門学校へ進学し、その後、本学の併修生としてさらに2年建築を学びました。春からは住宅設計職として働き始めます。これまで学んだ知識を活かしていくことはもちろん、働きながらも多くのことを学びながら成長し続けていきたいと思います。

COMMENT.
世界のエネルギー変換点をむかえ、オイルタンクの将来を人類の産業遺構と捉え、人の生き甲斐を探求する場へとリノベーションする試みは、製造現場での工作物、いわば巨大な道具であった『モノ』を人が多様な表現をする『コト』の場への転換で、人類の暮らしの転換の象徴的な建築物ともいえる。大きなシリンダーを庇でシンプルにつなぐことで、建築的な形態にまとめ上げ、雁行する庇がグラデーションのように港へ広がることで知多の新しい風景をつくっている。それぞれの内部空間をBIMにより詳細につくりこまれた秀作です。(担当教員:浅井裕雄)



卒業制作 06
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学びのまち ~日本だけに捉われないまち~

市山尚孝/愛媛県松山市余戸/併修生(河原デザイン・アート専門学校)/23歳

近年の外国人制度が一部企業による重労働や低賃金などが、劣悪な労働鷹境を生んでいる問題を取り上げました。特に労働者不定である農業・建設業・介護分野を取り入れた学びの場を提供するととにより、一つステップを踏んて働くことができます。ただそこで淡々と学ぶのではなく、。周辺地域の住民を巻き込んで学ぶことができます。学生は実際に作った果物や野菜、木工家具などを販売提供し、使用する人を直に自にするととで新たな発見や、地域住民との交流を図れます。そして敷地内には銭湯や体育館等があるため、裸の付き合いやスポーツをして、更に交流を図れます。語学センターでは、世界の言語や情報を地域の人と共有し学びます。広場では祭りなど沢山のイベントが行われ、世界の人々が一つになれる場所となります。卒業後は、故郷に帰り学んだ知峨を広め活用するのも一つの手ですが、日本の良古を改めて実感し、共に日本を支えていってくれるととを願っています。

PROFILE.
学生になり、さまざまな人と出会うことで、人それぞれの考え方などを知り、色んな場面で活用することができました。今までは到底考えもしながったことがたくさんあり、人と出会うことの素晴らしさを実感しました。4年間建築を学んできましたが、先生方と出会えたことが自分の中でのー番の収穫だと思っています。
 先生をいろんな件で、たくさん悩ませてしまいました。不真面目な自分を最後まで支えてくれた先生には感謝の気持ちでいっぱいです。本作品の学生のようにもっとさまざまな出会いをし大きくなった自分を見せつけてやりたいと思います。[併修校担任:徳永将規]

COMMENT.
本作品は、外国人研修制度が都の企業による賃労働・低賃金など劣悪な環境を生んでいる問題に大きく切り込んだ作品である。特に民業・建殴・介複分野では顕著であることから、本作品は、この3つの分野において高度に学ぶ場を提供する計画である。世界の学生たちが共同生活をしながら学び、そしてその成果を、例えば野菜・果物・木工家具など展示販売する。そして介護ではデイケア+ショートステイを設け地域の高齢者介護を実践する。さらに施設内には銭湯があり、地域の人との裸の交流を生む。語学センターでは世界の言語を地域の人も一緒に学ぶ。広場では夏祭りが開催され世界が一つの輪になって楽しむ。卒業後はそれぞれ自分の故郷に帰るのもいいが、市山くんの想いは日本に来て良かったなぁと思ってもらい、日本で生涯働いてもらえればいいと願いを込めて作品を作っている。社会問題の解決と地域貢献を実現させるため、特色ある多様な空聞を町に溶け込むように配置する図面の迫力は圧巻である。(担当教員:藤枝秀樹)



卒業制作 07
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(さとや) 小さな農村の看取るカタチと手向けるカタチ

内田大貴/福岡県/併修生(麻生建築&デザイン専門学校)/21歳

私が育った町。
私のふるさとは、大きな家族のような距離感の町民が、今でもたくさんの行事などの文化を町の為に守り続ける、人口250人ほどのいつか終わりゆく小さな農村。
長い時間をかけゆっくりと発展し、これから衰退、そして破綻していく。このまちの記憶をどう残すか、どう町を看取り手向けるかを考えた。


PROFILE.
今回の卒業設計では建築の知識やその建築に染み込む想いを深く考えることができました。この卒業設計で手にできたものとできなかったものを忘れずに設計していきたいと思います。

COMMENT.
地方の過疎化は深刻さを増していき、どの自治体も活性化を模索している中、彼は自身の故郷のこれからの姿を提案している。大きなコンクリートの屋根と壁柱。人口減少の期間は、その包まれた空間が人々に寄り添い、住民達の活動の場となる。時が流れ、人々の営みがなくなり、そこに残る屋根と壁柱はかつての故郷の人々の記憶を思い起こさせる遺構となる。熊本地震を経験した彼が「故郷とは何か」を真剣に見つめ直し、故郷に向き合った想いが詰まっている。(担当教員:伊藤潤一、中島潤、永野義紀)



卒業制作 08
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市場・いちば・ichiba ~柳橋連合市場~

樋口司/福岡県/併修生(麻生建築&デザイン専門学校)/20代

市場の利用者を増やすには様々な年代の人々を市場に取り込むことが理想とされている。そこで市場近くにある小学校に通う生徒が利用できる子ども食堂を設けた。子ども食堂は市場の残り物を使用しする。後日、子供の親が市場に食材を買いに行くという流れが生まれる。また、親が市場で買い物をする際、市場のお店の方と「この食材ではこういった調理法が美味しい」などのコミュニケーションが生まれる。


PROFILE.
専門学校に行きながら愛知産業大学の通信教育に通うことで、専門学校では学びきれない、建築の歴史や知識、様々なことを身に着けることが出来た。今後も建築業界に進むことから、ここで学んだことを最大限活用し、自分としての新しい建築の道を切り開いて行きたい。

COMMENT.
庶民の台所である市場を昔ながらの良さを残しつつ、老朽化などの問題点を段階的に更新していく案で解決しようとしている。1階は既存の区画をそのまま活かす事で古き良き面影が残り、2階は新たなに回廊を設ける事で、市場に活気溢れる様子が伺える。また今まで市場に訪れなかった人々を呼び込むために、付近の小学校に着目し、子ども食堂などを設け食育や放課後の居場所など新たな市場のあり方も提案している。(担当教員:伊藤潤一、中島潤、永野義紀)

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