卒業研究

卒業研究 2017年度

建築学科 卒業研究作品 一覧

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卒業制作 01
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こどもの声とまちの音色  保育園とまちづくり

稲富 凪海 / 福岡県/併修生(麻生建築&デザイン専門学校)/20代

近年よく耳にする保育園と近隣とのトラブルのニュース。保育園と地域がうまく打ち解けあえず、地域との間に見えない壁を作っている。この壁を取り払うことはできないだろうか。保育園を商店で囲み、まちの中心として人が集まる場所を作る。大人がこどもたちを目にする機会を増やし、保育園とまちの見えない壁を無くす。お店のおっちゃん、買い物するおばちゃん、放課後遊びに来る小学生…こどもたちはこの姿や音で外の世界を感じる。ワクワクした夢や憧れを抱く。
こどもたちの声や奏でる音、遊ぶ姿がまちの彩となり、まち全体の活気や明るさに繋がる。

PROFILE.

専門学校で建築を学んでいく中で、もっと深く建築について学びたいと思い、通信教育を受講しました。今後は設計・デザインの仕事をしながら幅広い知識と技術を身につけていきたいです。将来は建築や空間からプロダクトやサイン計画など細部のデザインまでトータルに担える建築家になり、デザインを通して生まれ育った福岡のまちに関わっていきたいです。

COMMENT.
幼いころに通っていた保育園と隣接する商店街が計画道路による道路拡張のため建て替えを余儀なくされている。保育園の建て替え計画であるが、商店街やコミュニティ機能を園児たちとの距離を緻密に調整しながら混ぜ込んでいる。また、さらに、谷状の敷地形状を有効に利用しながら、住人と園児たちのための様々なアクティビティが建築に散りばめられている。勝手知ったる地元であることが計画の深度をより深めている。(担当教員:伊藤潤一、中島潤)



卒業制作 02
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えほんと ‐つながる広がる絵本の世界‐

谷本 里穂 / 福岡県/併修生(麻生建築&デザイン専門学校)/20代

子どもの時から本を好きになり読書を習慣づけること、絵本を通して親子の絆を深めることを大切にすることを大切にした。タイトルのようにえほんと一緒に始まり、絆が繋がり、想像の世界が広がっていき、成長できるような建築となるように考えた。

PROFILE.

高校の卒業論文で建築について調査し興味を持ったため専門学校に進学しました。専門学校では大学併修コースで学士が取得できるというのに魅力を感じ選択しました。
専門学校と大学通信の両方を頑張る事で多くのことを学べました。今後は設計事務所で働き、多くの建物に関わっていきたいです。

COMMENT.
単純な箱型をランダムに重ね合わせ連続していく構成よって、訪問者に絵本をめくっていくようなワクワクや変化に富んだ空間体験をさせることを意図している。
各箱は絵本のための空間であり、建築全体は絵本そのものである2重構造が、「絵本を読むための建築」から「絵本のための建築」へと昇華する。絵本の世界観を伝える手段として細部まで作り込まれた模型も秀逸だ。(担当教員:伊藤潤一、中島潤)



卒業制作 03
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CONNECT HIRAMA ~葉脈のようにつながる街~ 過去から現在、そして未来へ

渡辺 圭子 / 神奈川県/建設会社役員/60代

過去から現在に至るまでに築かれた優れたものを無くしてしまうことなく、発展させて未来へつなぎます。時代、世代を超えて人々がつながることができる街、未来へ希望をつなぐことができる街を目指します。
建築の仕掛けにより、街に付加価値を設けることで、現在の街並みを壊すことのない開発を提案します。
3つの拠点[都市の機能を持つ、文化の拠点][歩道橋の機能を持つ、憩いと交流の拠点][自然に触れることができる、健康とスポーツの拠点]を商店街でつなぎます。つなぐイメージとして葉脈を街のデザインに採用しました。歴史を体感できる空間を作りました。
意識することなく日常的に人々がつながることができるように、建物は低層で開放的な空間を多く採用し、水平に動く人の流れを作るよう工夫しました
PROFILE.
長年続けた仕事をリタイアし、時間にゆとりができたので、こどもの頃がら憧れていた建築の勉強をしたいと思うようになり、この学校に入学しました。
 卒業研究のゼミが始まって、研究を進めるスキルが全くない私は、作業がいっこうに捗らなくて苦労していました。しかし、ゼミでの先生のご指導、仲間からの助け、さらに先輩からのサポートを受けることにより、作品提出にまで至よりることができました。この歳になっても、ここまで頑張ることができたことに我ながら驚いています。この体験を今後に活かしていきたいと思っております。
COMMENT.
国際都市首都東京圏にあって、川崎市は隣接する他都市の中でも「大都市」として認識される。しかし細部を見ると大都市の中であっても古来の歴史を色濃く持った「小さな地方」が点在する事に気付く。作品の舞台「Hirama」がまさにその地である。大きなエポックや大事件を持たず延々と続く日常生活は「小さな地方文化」の伝承と愛着を育んだ。作品は歴史の伝承、物語といった壮大なロマンを含まず心の伝承と継承、そして市場経済に翻弄されない街の生き残りをかけた思いを「まちづくり」という形に置き変えた。街を三つの構造の「核」を中心に振分け、商店街が軸となって結ぶ。
か細く頼りない動脈は様々な道具立てにより若がりを図り元気に振る舞えるよう鼓舞する。「街へ命を吹き込む」熱い想いを持つ人々がいる限り、「Hirama」の再生は叶うだろう。「小さな地方」の街の継承デザインの再定義の一つである。担当教員:白濱 力)



卒業制作 04
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SAPPOROTerra’s~空と水と大地の杜

布川 雅子/ 東京都/50代

世界でも有数の豪雪地帯にある都市・札幌は、大陸的な美しい自然と共存する知恵を持つ町です。サーモンが上る豊平川と中島公園の菖蒲池に隣接する計画地を選定し、景観計画への配慮から外壁にはガラスを多用し、水源を利用し温水・冷水ラジエーターによる環境に配慮した複合施設をデザインしました。札幌駅から南に伸びる地下道を延伸し、地下鉄と直結する地下3階の広いエリアと公道に面した1階、それに地上3階の空中回廊を歩行者の動線とする立体構造とします。施設全体は、コアとなる国際会議場や宿泊施設や水族館などを含む5つのゾーンと、8種類の建物から構成され、札幌市民と旅行者とが交流できる道内最大の「学びと文化の場」となっています。
PROFILE.
一級建築士だった父の跡を継ぐはずだった予定だったのに、米国に逃亡して6年の滞在を経て帰国し、その後はマーケティング関連の仕事をしてきました。
父への懺悔の気持ちから愛知産業大学で建築を学ぶことにしましたが、50の手習いで新たな学問を学ぶ環境にはなかなか慣れず、四苦八苦で勉強を続けてきましたが、だんだん勉強を面白く感じるようになりました。昨年には二級建築士の資格も取得し、この3月に愛産大を卒業した後は大学院へ進学し、心機一転「感性認知脳科学」を学ぶ予定です。
COMMENT.
札幌市の中心的な自然公園である中島公園の隣接地に計画された大規模な複合施設である。この公園は都市公園が多く、また自然を多く残す札幌にあっても、豊平川と近接とも相まって真に憩える公園でもあると言える。この作品は次のいくつかの観点の具現化を狙い、建築の在り様に挑戦している。1)今、求められる都市機能の拡充化に応える(国際会議場)2)札幌駅型の中心軸の好立地での大規模開発の在り方の模索3)歴史・自然資産の積極的な市民活用を促す4)都市と自然との融和など、幾つも難しい課題にチャレンジした力作である。機能を充実させる建築の建設は容易ではあるが、都市と自然と相対する価値のデザインは、表層デザインに止まらない、この地への大規模開発の在り方を市民への問いかけを浮き彫りにした。(担当教員:白濱力)



卒業制作 05
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Alternative 木の様々な可能性を拡げる一大発信地

福田 拓哉 / 岐阜県/学生/20代

日本の森林率は国土の66%であり、木材資源がとても緑豊かな国である。だが、現在の日本は森林蓄積が増え続け森林が使用されないということが問題点となっている。その理由として外国産材との競争や日本における木材の流通システムの複雑さ、森林や木の知識・情報の広告等、他にもたくさんの理由が挙げられる。この設計では、森林や木の知識・情報の広告と木材流通システムの改善をテーマとして取り上げ、木材利用の幅を示す計画とした。木材利用の幅が広がることにより、木は様々な可能性を持ちこれからの時代のオルタナティヴな素材となる
PROFILE.
私は実家が工務店経営をしており、二級建築士を早期取得するため東海工業専門学校に入学しました。1 年生の後期に設計という分野を志してから、建築が楽しくなり好きになったため、この通信教育で学ぼうと思いました。今後は名古屋の設計事務所に勤め、将来的には岐阜にある実家の工務店を経営しようと考えています。

COMMENT.
彼は日本の木材を使った建築を今以上に普及させたいと大きな目標を掲げ卒業研究に取り組んだ。今までにないような建築空間を住宅用に流通している規格材を使ってつくる新たな構法の提案、大断面集成材をつかった大空間の提案、伝統的木組みを利用しつつ壁面を大胆に構成した提案など、一つの提案にとどまらず木造建築の可能性を広げるような建築の提案と木材普及の場の創出を試みた。この壮大な提案を持ち前の根気強さで何度もスタディを重ね、全体構想を造り上げた経験は必ず彼の糧となるだろう。