現在の住宅は、効率性を重視して土地を切り取り建てられてきた。その結果、効果的に利用されない隙間が、多数取り残されている。この取り残された隙間を効果的に活用することで、既存の住宅街を再生する手法を探る。 敷地は、東京都豊島区の一角にある住宅地である。戦後、計画的な整備がされないまま、狭あい道路沿いに高密度の住宅地が形成された。現在このような住宅地において建替が進んでおり、昔ながらの人情溢れるコミュニティが崩壊しつつある。そこで、上記述べた隙間を利用して既存のコミュニティを基に新しいコミュニティを創設する集合住宅へ、緩やかに再生していくことを提案したい。
PROFILE.
インテリアショップの仕入れの仕事をしていた時に色々な建築に出会う機会があり、興味を持ち始めたことがきっかけです。大学の勉強は想像以上に大変でしたが、空間をつくることの奥深さを学ぶことができ有意義な時間を過ごすことが出来ました。また、家族の支えと友人の励まし、そして先生方からの刺激のおかげで無事に卒業することができたことをとても感謝しています。 卒業後は、2級建築士の資格取得を目指して頑張ります。
COMMENT.
—知恵ある眼差しー 遅々として改善がすすまない、都市部低層低密度住宅エリアの再生に一つの方向性を指し示す作品。住宅の周辺にある「スキマ」を種地にして、居住している人々が転居することなく連続的に、丁度陰陽反転するようにまちを更新して行くことを提案している。着眼の卓抜さ、プログラムのおもしろさ、造形的まとめのたくみさ、によって「気持ちのよい場所」が生み出されている。