建築を計画する際には、快適性、安全性、経済性、機能性、意匠性、依頼者からの要求、法的条件、地理的条件など多くの事柄を考えなければならない。それら一つ一つを適切に把握し、総合的に計画することをプランニングと言い、ここでは最も身近な「住宅」を対象として、そのプランニング手法、空間デザイン手法、建築計画の基礎的な方法論を修得する。
建築的視座から「住まう」を探求します。
「居心地が良い」「気持ちがいい」といった言葉で住まいが語られることは多いと思います。しかし設計するにあたって、それだけでは寸法が決められません。図面や資料を探し、それを「読み解く」という経験を通して、その理由を探っていく方法を学んでいきます。この科目では戸建住宅と集合住宅を対象としています。
身近にある公共的な建築(役場、駅舎、集会場、学校、美術館など)でデザイン的に優れているものを1つ選び、建築を形態により分析し考察します。
選択した建築は必ず実際に訪れ、その空間を知覚・体験します。その感覚がどのようなデザインによってもたらされているのか。建築が置かれている環境、外観デザイン、内部空間などを詳細に観察して、写真を撮り、スケッチを描き、それを突き止め、レポートにまとめます。
優れた建築作品の鉛筆・シャープペンシルによる模写(トレース)を通して、建築設計製図の基本を習得するとともに、建築家が図面に込めた想いを読み解きます。
図面に描かれている空間を創造しながら丁寧に模写(トレース)することで、設計者の意図が、メリハリのある線や文字によって浮き彫りになることを体感します。
建築構造力学の基礎的な計算ができるようにします。通信科目のテキストを通して、できるだけ多くの演習問題にあたり理解を深め、最終的には自力で計算問題が解けるようになることを目標とします。
繰り返し問題を解くことで計算の流れやパターンをつかむのがコツ
建築物は、自重以外にも風や地震、積雪などといった自然の外力を受けます。これらの外力に対して建築物は安全である必要があり、それを確かめるために行われるのが構造設計です。本科目は、その構造設計を行う上で必要となる構造力学について着実に学びます。
将来的な建築のあり方として環境負荷の少ない建築のあり方、さらに、持続可能な地域環境を形成する上で有効な事例や解決策を学びます。
環境負荷においては、日射熱負荷を軽減する目的で庇や軒、屋上緑化などが効果的ですし、夏季の通風活用や冬季には太陽熱利用の可能性なども考えられます。地域環境では森林荒廃、ヒートアイランド、大気汚染など都市だけでなく森林や海洋の問題が考えられます。これらについて広く文献などから情報を収集し、テーマを定め、自らの体験や考えも含めて分析を試みます。
日本建築・西洋建築・近代建築の変遷と、各時代・地域における様式・構造・技術の特徴を理解し、それらをつくりだした理念や社会背景など文化の特質についても考えます。
歴史の中で専門家達(僧侶、棟梁、職人、建築家、技術者)が各時代に何を基本的技法手段で建造したのか、明日の建築文化を創造する大切な姿勢であり、その内容を深く学びましょう。
建物の機能は雨風をしのぎ、安全で快適に過ごせることですが、その上、文化的で美しく、景観に調和した建物が建築といわれます。建築の美しさや景観との調和は建築の機能美と空間や造形の美しさです。この科目では空間や造形を模型で表現し、建築デザインの基本を修得することを目標とします。
考えるより手を動かし、とにかく多くの模型を作ることがポイント。
スクーリングの課題は、バス停キャノピー、モニュメント、ドッグキャビン、テントハウス、ガソリンスタンドの構造物から3課題程度を当日指示するので、そのデザインコンセプトモデル(模型)を作成します。考えるより手を動かし、思いつくまま、沢山の模型を作ることがポイントです。建築設計は無から形にすることが重要です。躊躇いもなく造形する感覚は、大切な経験となります。
造形の基礎(デッサン基礎・デザイン基礎・立体造形基礎)について
建築物における造形、デザイン、デッサンのかかわりを紹介します。
形や色、構成を通して建築を行う上で必要な多様な造形発想を学びます。
建築を構成する主要素である「壁・柱・階段・ブリッジ」などを用いて、奥行や高さに関する領域を、認識・操作できるようになることを目標としています。
3次元CADで立体的表現に取り組む。
CADIIの前に学ぶ CADIでは平面的な図面作成を主たる目的として2次元操作をベースとして取り組むが、CADIIで触れていく3次元CADは模型を作るように立体的表現に適している。2次元CADの操作・作図方法との違いを確認しながら、3次元CADならではの立体的な作図の進め方や視点の設定、陰影計算といった機能を理解し、課題制作に取り組みます。
CAD Ⅰ・Ⅱ・Ⅲについて
計画地周辺の環境とのかかわりを意識しながら、比較的規模の大きな複合施設の設計課題に取り組みます。
学生間のワークショップを通して、多様な視点・テーマを合意形成しながら抽出し計画反映します。また、現地調査を行い、施設の複合性に伴う計画条件・周辺環境の歴史・特性を的確に把握し、自らの発想で適切にまとめ、設計に反映させて表現します。
建築設計科目と製図道具について
建築設計Ⅰ.Ⅱ.Ⅲにおける学びや必要な道具の紹介をします。
建築模型を作成したり、プレゼンテーションするなど、建築物を作成するイメージを膨らまします。
建築構造力学の基礎的な計算ができるようにします。できるだけ多くの演習問題にあたり、解説を聞きながら理解を深め力学の素養を身につけることを目標とします。
初めて学ぶ構造力学についてポイントをおさえて解説
通信科目の構造力学Ⅰの学習内容を補完する科目として、面接授業によって講義を行い、構造力学の基礎的な知識を修得します。力学の基礎的な考え方から力学の各種計算方法などについて演習問題を通して解説します。力学が苦手な方は、本科目をまずは受講するとよいでしょう。
構造物の骨組みについて理解し、それを基本に構造計画、構造設計とは何かについて学びます。
建築物の骨組や構成などを事例を用いて解説し、それらを基に安全な建築物を設計するための基本的な考え方を対話形式で解説します。各構造の構造計画を概説し、演習などを通して構造設計について触れてもらいます。
■卒業研究について
担当教員の指導のもと、選定したテーマの調査・研究を進めます。最終的に作品パネルや模型、研究論文をまとめ上げ、研究発表を行います。