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【ASUオープンルーム】で「やりたい」ことを(国際コミュニケーション学科 首藤 貴子)

研究室からこんにちは(短期大学)
まもなく6月。新年度の慌ただしさが一段落し、学生の皆さんは、そろそろご自身の学び方をあらためて考える時期でしょうか。

大学での学びを、たとえばテキストを読んで、それをまとめるレポートを書き、試験を受ける。この一連の作業としてのみ捉えるなら、それはもったいないです。もちろん、さまざまな知識や技術を得るために、こうした作業は間違いなく重要です。ですが、それは大学での学びのすべてではありません。

今から〇十年前の私自身の学生生活を振り返ると、いわゆる「研究室」での活動が中心でした。学部も大学院も教育学系の研究室に所属しましたが(ということは、教育学系の論文を書くことになります)、いずれの研究室も、学部生と院生を中心に研究室を運営していました。たとえば、課題追究にフィールドワークが必要となれば、自分たちでその調査研究の計画を立てたり(旅行の計画も込みで)、あるいは、毎週「自主ゼミ」と称して自分の興味あることを議論したり(お昼ご飯を食べながら)、そうした活動を年度末には研究室紀要にまとめたり(思い出話的な振り返りも含めて)、若い学生という立場からすると、ありとあらゆることを任されていた感覚でした。すべてを自分たちで創造しなければならないという責任や苦しさは伴いますが、とにかく自由な研究室でした。

今になって考えれば、私自身も含め学生たちは「好き勝手」なことをやろうとするので、費用を工面したり調査協力者を確保したり学生同士の関係性を調整したり、先生方のご負担はいかばかりだったか。それでも、学生たちが「やりたい」と言うことを最大限やらせてくださったと記憶しています。

研究室で読んだ本に何が書いてあったかはざっくりとしか思い出せません。ですが今でも、たとえばニュースを見ながら、研究室の○○さんならこう言うだろう、□□さんならこう分析する、といったことは考えます。つまり、一緒に学んだ仲間の視点が、私の中の複数の目となっている気がするのです。湯気が立ち込める研究室で同じ鍋をつつきながら、馴染みのお店のやたら長いウインナーを切り分けながら、北海道でのフィールドワークで毛ガニを食べながら、皆が話し続ける。そんな時間の共有があってはじめて、他者の視点に近づけたように思います。

こうしたことも、大学での学びで得られたことのごくごく一部。そもそも学びの意義など、私には到底言語化できません。ただ、自分とは異なる視点をもつ他者と語った経験から得られるものは、とてつもなく大きい。私の主観として、これだけは言えそうです。

本学のような通信制大学の場合、学生の皆さんが物理的に一緒に過ごす時間をつくることは難しい。ですが、今はオンラインでの対話が容易になりました。しかも、高卒後そのまま進学する「ストレーター」の学生たちとは異なり、多様な生活や仕事の経験をしている方々が多く在籍しています。そうした貴重な経験を学生同士で共有すると、「ストレーター」中心の大学とは異なるおもしろさが必ず見つかるはずです。

2023年度、そんな機会の一つになればと、本学教員は【ASUオープンルーム】をはじめました。【ASUオープンルーム】では、学習内容の質問をする場、テーマを決めて話し合う場、学生生活の悩みを相談する場などを想定しています。オンラインで、ときにはリアル(対面)で開催中です。本学通信教育部の学生なら誰でも参加できます。科目等履修生、特修生、専攻科や四大建築学科の学生の皆さんも参加しています。

オンライン上であれば、学生主体の「自主ゼミ」も可能かもしれません。たとえば、スクーリングで白熱した議論の「延長戦」をする、あるいは、皆で一つの本を読み語り合う読書会を開催する等々、アイデアはひろがります。

学生の皆さん、生活や仕事に追われ、忙しい毎日かと思います。でも、せっかくの学生生活、「やりたい」ことがあったらぜひやってみましょう。「やりたい」ことを存分にやらせてもらった者の一人として、可能な限りサポートしたいと思います。


※【ASUオープンルーム】の今後の予定は、本学在学生用サイト(通教オンライン)の掲示をご確認ください。
※「自主ゼミ」企画のご相談は、通教オンラインQ&Aから、首藤まで。