「子どもを受け入れる」ことを大切に―卒業生インタビュー (国際コミュニケーション学科 首藤貴子)
研究室からこんにちは(短期大学)
愛知産業大学短期大学子どもコース出身で、現在、保育士として15人の子どもたちと日々過ごしている若菜さん(仮名、30代女性)。3歳未満児の園に勤めはじめて9か月、新人保育士としては「毎日いっぱいいっぱいで、本当に大変」と言いながらも、笑顔で語ってくださいました。
●わが子の成長を一緒に喜べる保育士さんに出会って――保育士をめざすきっかけ
専業主婦をしていた若菜さん。二人目の子が10か月になった頃、仕事復帰のために子どもたちを保育園に預けることに決めました。「勤めるのはまだ早いのでは?」「子どもがかわいそう」等、周囲からいろいろな声が聞こえてきたそうです。
そんな若菜さんを、園の保育士さんはあたたかくサポートしてくれました。保育士といえば、ただ子どもを預かってもらうという存在だと思っていた若菜さんでしたが、実際の保育士さんたちは、子どもの成長を一緒に喜んでもらえる存在。保育士さんから「今日、初めて歩きました!」と聞いたときは、本当にうれしかったとのこと。意気投合した保育士さんとは、プライベートでも交流を続けているそうです。
そうして保育士になろうと、愛産大短大入学を決意。あまりに急な決断だったので、夫や両親は「気が付いたら子どもを預けられていた」という感じだった、と振り返ります。それでも、短大を卒業し保育士資格が取得できたとき、家族は大喜びで褒めてくれたとのこと。高校卒業時、若菜さんは、進学を願う両親の希望とは異なる道を選びました。喜ぶ両親の姿をみて、想定外にも親孝行できたと語ります。そして、資格取得までやり遂げられたことが、「やればできる」という自信につながっているそうです。
●保護者からの「ありがとう」は本当にうれしい
3歳未満児を対象とする保育施設なので、保護者との連絡帳のやりとりは欠かせません。その文面に「ありがとうございました」と書いてあると、うれしくなるとのこと。親の立場では、何気なく「先生、ありがとう」と言っていたけれど、自分が保育士となった今、「ありがとう」のもつパワーを実感しています。
一方で、企業立の園だからこその特徴もあります。保護者は「お母さま」「お父さま」、子どもについては「お子さま」と呼ぶように、園で統一されているとのこと。そして、保護者の意向に沿うことが大事にされています。たとえば子どもたちのトラブルの対処法について、どのような段階で保護者に連絡を入れるか等、事前に保護者の希望を聞くことになっています。
また、保護者は使用済おむつを持ち帰らなくてもよいようになっていて、園で汚れた服も園で洗濯しています。若菜さん自身、わが子二人を登園させるときの荷物は多すぎて本当に大変だった、と振り返ります。子どもの荷物が少ないことは、通勤途中に送迎する保護者にとって、とても助かるだろうとのことです。
●「子どもを受け入れる」ことの大切さ
園の保育士と子どもの関係性について、若菜さんは次のように語ります。
保育士たちは、子どもたちの気持ちを受け入れることを大事にしています。たとえば、食べたくない子、着替えをしたくない子、シャワーを浴びたくない子に、「ダメだよ」とは言いません。この子たちも「ダメなこと」は自分でよく分かっているから。保育士が無理やりやらせるようなことはないですね。よくよく考えれば、大したことではないですし。
子どもがぐずっているときは、一旦待って、その気持ちを受け入れてあげると、落ち着いて次に切り替えることができるようになるんですよね。でも、「待つ」ためには、大人の側に余裕が必要ですが…。
子どもは自ら外の世界に働きかけることによって発達していきます。そこに必要なのは、その働きかけに応答し意味を与えてくれる大人の存在です。「ダメなこと」をしている子どもたちも、そこで「待つ」大好きな大人を頼りにしながら、自分の行動の意味に気づき気持ちを立て直していくのでしょう。
●いつかは年長さんの担任を
公立保育園に通う若菜さんの長男は、園に勤めはじめた頃、「ママの保育園に通いたい」とよく言っていたとのこと。年長の今では、「ボクは〇〇したよ。ママの保育園は何したの?」とよく聞いてきたり、「誕生日会は△△するといいよ」とアドバイスしたり、「保育士のママ」が気になって仕方がない様子。
まだわが子も手のかかる時期ですが、いつか、3歳以上児の子どもたちの保育、年長さんの保育にも挑戦してみたい、3歳未満児の保育とはまた違うやりがいがあると思うから、と保育士としての将来を語ります。
初めての保育現場で、「子どもを受け入れる」という保育実践の軸を身につける若菜さん。これからもブレることなく、さまざまな実践を展開していくことでしょう。
●わが子の成長を一緒に喜べる保育士さんに出会って――保育士をめざすきっかけ
専業主婦をしていた若菜さん。二人目の子が10か月になった頃、仕事復帰のために子どもたちを保育園に預けることに決めました。「勤めるのはまだ早いのでは?」「子どもがかわいそう」等、周囲からいろいろな声が聞こえてきたそうです。
そんな若菜さんを、園の保育士さんはあたたかくサポートしてくれました。保育士といえば、ただ子どもを預かってもらうという存在だと思っていた若菜さんでしたが、実際の保育士さんたちは、子どもの成長を一緒に喜んでもらえる存在。保育士さんから「今日、初めて歩きました!」と聞いたときは、本当にうれしかったとのこと。意気投合した保育士さんとは、プライベートでも交流を続けているそうです。
そうして保育士になろうと、愛産大短大入学を決意。あまりに急な決断だったので、夫や両親は「気が付いたら子どもを預けられていた」という感じだった、と振り返ります。それでも、短大を卒業し保育士資格が取得できたとき、家族は大喜びで褒めてくれたとのこと。高校卒業時、若菜さんは、進学を願う両親の希望とは異なる道を選びました。喜ぶ両親の姿をみて、想定外にも親孝行できたと語ります。そして、資格取得までやり遂げられたことが、「やればできる」という自信につながっているそうです。
●保護者からの「ありがとう」は本当にうれしい
3歳未満児を対象とする保育施設なので、保護者との連絡帳のやりとりは欠かせません。その文面に「ありがとうございました」と書いてあると、うれしくなるとのこと。親の立場では、何気なく「先生、ありがとう」と言っていたけれど、自分が保育士となった今、「ありがとう」のもつパワーを実感しています。
一方で、企業立の園だからこその特徴もあります。保護者は「お母さま」「お父さま」、子どもについては「お子さま」と呼ぶように、園で統一されているとのこと。そして、保護者の意向に沿うことが大事にされています。たとえば子どもたちのトラブルの対処法について、どのような段階で保護者に連絡を入れるか等、事前に保護者の希望を聞くことになっています。
また、保護者は使用済おむつを持ち帰らなくてもよいようになっていて、園で汚れた服も園で洗濯しています。若菜さん自身、わが子二人を登園させるときの荷物は多すぎて本当に大変だった、と振り返ります。子どもの荷物が少ないことは、通勤途中に送迎する保護者にとって、とても助かるだろうとのことです。
●「子どもを受け入れる」ことの大切さ
園の保育士と子どもの関係性について、若菜さんは次のように語ります。
保育士たちは、子どもたちの気持ちを受け入れることを大事にしています。たとえば、食べたくない子、着替えをしたくない子、シャワーを浴びたくない子に、「ダメだよ」とは言いません。この子たちも「ダメなこと」は自分でよく分かっているから。保育士が無理やりやらせるようなことはないですね。よくよく考えれば、大したことではないですし。
子どもがぐずっているときは、一旦待って、その気持ちを受け入れてあげると、落ち着いて次に切り替えることができるようになるんですよね。でも、「待つ」ためには、大人の側に余裕が必要ですが…。
子どもは自ら外の世界に働きかけることによって発達していきます。そこに必要なのは、その働きかけに応答し意味を与えてくれる大人の存在です。「ダメなこと」をしている子どもたちも、そこで「待つ」大好きな大人を頼りにしながら、自分の行動の意味に気づき気持ちを立て直していくのでしょう。
●いつかは年長さんの担任を
公立保育園に通う若菜さんの長男は、園に勤めはじめた頃、「ママの保育園に通いたい」とよく言っていたとのこと。年長の今では、「ボクは〇〇したよ。ママの保育園は何したの?」とよく聞いてきたり、「誕生日会は△△するといいよ」とアドバイスしたり、「保育士のママ」が気になって仕方がない様子。
まだわが子も手のかかる時期ですが、いつか、3歳以上児の子どもたちの保育、年長さんの保育にも挑戦してみたい、3歳未満児の保育とはまた違うやりがいがあると思うから、と保育士としての将来を語ります。
初めての保育現場で、「子どもを受け入れる」という保育実践の軸を身につける若菜さん。これからもブレることなく、さまざまな実践を展開していくことでしょう。