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研究室からこんにちは(国際コミュニケーション学科 川崎 直子)

研究室からこんにちは(短期大学)
今年の夏休みのことになりますが、外国にルーツを持つ小中学生を対象に「夏休み宿題教室」を開催しました。

外国ルーツの子どもが、2学期になっても休み時間に夏休みの宿題をやっている姿を何度も見てきました。そこで私たち一般社団法人は14年前に、そうした子どもたちの支援をと考えて、モリコロ基金に応募することから始めました。現在は教育委員会から当法人への委託事業となっています。

愛知県内でも地域によって違うようですが、小学生の夏休みにはこんなに宿題があります。
・毎日行う各科目別「日誌」
・ポスター
・児童画
・習字
・自由研究
・読書感想文
・標語
・工作
・日本語の教材 など

日本人保護者の場合、小学校時代に自分たちも経験しているため、始業式の前日に取りかかっていては当然間に合わないと知っています。特に低学年の場合、理科実験や工作など、とても一人でできるものではありません。また、ポスターは「家庭の日」「下水道」「3R」などテーマが決まっているのですが、子どもはまずテーマのコンセプト自体理解するのも大変です。

外国人保護者は、夏休みはvacationなのになぜ宿題が課されるのか理解できないようです。理科の自由研究の「自由」は、やってもやらなくても私の自由でしょという解釈ではなく、取り組むテーマが自由というだけで、どっちみちやらなくてはいけないのです。まずはそこからです。

今年、私は3,4年生の理科実験と3年生の工作を指導しました。理科実験は毎年違うことを行うのですが、今年は柑橘類の外皮を使って発泡スチロールを溶かしてスタンプを作ったり、油性ペンの汚れを落とす「オレンジパワー」をしようと思って、数ヶ月前からシミュレーションをしました。

理科実験の当日、まずオレンジを新聞紙で隠し持って子どもたち一人ずつに匂いをかがせて、何の匂いでしょうか、と導入したところ、みかん!という声が上がりました。
このオレンジの外皮に含まれるリモネンという成分がオレンジパワーなのです。発泡スチロールの周囲を溶かしてスタンプを作るという実験は、家で何度試行しても一度もうまくいきませんでした。でも、本番では子どもたちの力を信じようと思って材料を配りました。すると、子どもたちは自分たちなりに工夫して、ちゃんとスタンプにしていました。
今はもうすでに、来年はどんな実験をしたら良いかな…と思案中です。

始業式にすべての宿題を提出できれば、今まで秋風が吹いても夏休みの宿題をやっていた子どもたちの自信と自立につながるでしょう。それを目標に、私たちはこれからも夏休み宿題教室の運営をし続けていきます。