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研究室からこんにちは(国際コミュニケーション学科 川崎直子)

研究室からこんにちは(短期大学)
  2023年7月15日、ウインクあいちで「第3回 多言語環境で育つ子どもの発達障がいとことばの問題」というテーマでシンポジウムを開催しました。このシンポジウムは科研費の助成で行ったもので、今回で3回目になります。



 第2回目シンポジウム開催の時は、その3日後に国内初の新型コロナウイルス患者が発生して、そこから研究が一時的に止まってしまいました。それまでは特別支援学校の見学、勉強会や支援者へのインタビューなどすべて対面で行っていましたが、リモートでの研究活動へと切り替えることになりました。また、東京やその他の地域での開催の学会や講演会がオンラインになりました。コロナ真っ盛りの頃は世の中が一気に変わった気がしました。しかし、今までだったら行き帰りでロスしていた時間が短縮できることや、開始時間になったら自動的に始まる気軽さもあり、毎月複数の研修会に参加できるようになりました。この流れはこれからも続いていくことと思います。

 2023年7月、コロナも落ち着いてきたこの時期、今回は対面でのシンポジウムを企画しました。予約した会議室は80名の定員でしたが、東海三県はもとより、北海道、愛媛、東京、京都、大阪、アメリカ、フランスからも申し込みがあり、定員は早い段階で埋まりました。本学からは教員4人、在学生・卒業生合わせて12人の参加がありました。

 最初に児童精神科医の髙橋脩先生の基調講演を行いました。先生のお話は毎回感動することばかりで、教育に携わる人であれば、教える対象が成人、子ども、外国人、日本人、障がいの有無、担当科目に関わらず、ぜひ一度聞いていただきたいです。

 

  第2回目のシンポジウムの事後アンケートでは、もっとグループでの話し合いの時間が欲しかったという意見が多かったため、今回は6~7人ずつの班でいま外国にルーツを持つ子どもの支援で困っていることについて、40分間話し合ってもらいました。そして、各班からの提供事例について、研究チームの医療、アセスメント、療育、特別支援教育、療育保育、日本語教育の専門家が助言するという形をとりました。今後、今回のシンポジウムを踏まえて、専門家チームでQ&Aの事例集を作成する予定です。



 今まで同じテーマで3回シンポジウムを主催してきたわけですが、多くの方からぜひ学会化をという要望が出ました。まずは研究会からかな…と思いますが、今回の科研費の目的の一つは支援者のネットワークづくりなので、それも視野に入れて考えてみようと思っています。