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遠隔授業に関する雑感(国際コミュニケーション学科 髙野盛光)

研究室からこんにちは(短期大学)
 教育に携わる者から見ても2020(令和2)年度は新型コロナに振り回された1年であった(実際にはあと数ヵ月残っているが)。本学でもZoomを用いた同時双方向型授業、YouTubeのような動画サイトにアップロードした動画を視聴して、あるいは、OneDriveのようなクラウドにあらかじめアップロードされた各種教材を学習者がダウンロードして学習を進めるオンデマンド型授業等で、本来対面でおこなう予定であったスクーリングを遠隔授業で代替したことが少なくない。
 わたし自身は、作成した動画教材(ファイル)を本学のOneDriveにあらかじめアップロードしておき、スクーリング受講生に各自でeラーニングサイト上に作成したリンクからファイルをダウンロードして学習を進めるオンデマンド型でコンピュータ演習A/B、事前事後指導等の授業をおこなった。教職科目の多く、専門ゼミナールAは対面授業であった。実際にオンデマンド型授業をおこなうまでは、コンピュータ演習は(コンピュータに不慣れな学生もいると考えられるから)スクーリング会場で対面でおこなうことが望ましいと考えていた。今でもコンピュータに不慣れな学生のためには会場で対面授業をおこなう必要があるとの考えに変わりはない。しかしながらオンデマンド型授業で十分に成果を出している学生がいる以上、オンデマンド型授業、対面授業の双方を準備しておき各自の学習スタイルに合わせて選択してもらうことも可能ではないかと考えるにいたった。その際、動画教材は対面授業受講者も利用できるようにすることで復習にも活用してもらうことができそうである。
 Zoomでの授業は教育原理のスクーリング1回のみであった。教職スクーリングに関しては、教職課程履修者と実際に顔を合わせることのできる貴重な機会であるとの思いからできるかぎり対面授業でおこないたいと考えていた。1回のみZoomでおこなったのはひとえに東京で新規感染者数に歯止めが掛からなかったからである。それ以外には別科目を第一波の折にオンデマンド型で1回おこなった。言うまでもなく本学は通信制短期大学なのでわたしたち自身がみなさんたち学生と直接顔を合わせる機会が極めて限られているばかりでなく、学生相互が直接顔を合わせる機会も限られている。それゆえできうる限り対面授業を維持したいとの思いがわたしにはあった(ある)。しかしながらZoomでの授業で参加者の(学習)活動をみたことで、『町場の教育論』で内田樹が述べている「わからないことがあれば、わかっていそうな人に訊く。/それだけです。」(p.120)が十分に担保されるのであれば、科目によってはリアルタイム型遠隔授業でスクーリングをおこなうこともありうるかもしれないと考えるに至っている。そのためには学生が一度は直接顔を合わせる機会が必要ではないかとは思うが・・・・・・