韓国でのスクーリングについて
研究室からこんにちは(短期大学)
2016年10月22日と23日、韓国で「専門ゼミナールB,D」のスクーリングを実施しました。
二日間スクーリングだったのですが、両日とも会場が違いました。
初日は「多文化センター・多隣」で行いました。
今回のスクーリングのテーマが「韓国の多文化家族支援法」だったため、
このセンターで授業ができてとても幸運でした。
韓国では、外国人家庭に対する政府の支援があるということは、
一般的にはあまり知られていないようです。
受講した学生さんたちも全員、多文化家族支援が法律として確立していることを
初めて聞いたと言っていました。
私自身愛知県西部地区で外国人の子どもの日本語支援活動を行っていますが、
日本での外国人家庭への支援は自治体あるいは市民団体任せなところがあります。
スクーリング会場の隣の教室では、日本にルーツを持つ小学生の子どもたちが
10人日本語の授業を受けていました。
講師の先生方は皆さん継承語教育を研究されている方たちです。
授業の開始時、TVアニメ「忍たま乱太郎」の「勇気100%」の一番の歌詞を日本語で、
二番を韓国語で元気に歌って子どもたちは盛り上がっていました。
その後、わらしべ長者の動画を観て、漢字の成り立ちの勉強、
そして漢字カード取りゲームをしていました。
日本でも「母語教室」は開かれていますが、韓国のように国が全面的に予算を出して
行っているわけではありません。
母語というものは、手当てをしなければ確実に失われていく危ういものです。
日本語を指導しつつ、子どもたちの母語をいかに保持させていくのかは、
地域で活動する支援者の課題のひとつです。
母語の大切さを知るということは、二つの言語と二つの文化を身に着けることにつながり、
自分の将来の選択肢が大きく広がることになります。
韓国のスクーリングでは、最終日に学生さんにスピーチをしてもらいました。
「自分が紹介したい土地」について、30分程度の準備時間の間に日本語で原稿を書き、
それにまつわる写真を自分のスマホから選んで
プロジェクターで写しながらスピーチをするというものでした。
どの学生さんも3分間という制限時間をオーバーして、
時にユーモアを交えて伸び伸びとスピーチしてくれました。
このスピーチだけでなく、他の科目のレポートも日本人学生と同じ課題について
日本語で書くわけですから、皆さん、本当に努力して日本語の勉強をされています。
学生さんの何人かは、日本のポップカルチャーの影響で日本語を勉強し始めたという方もいましたが、
日本語能力試験N1(1級)を持っている人は、
小さいときから日本語をコツコツと学んできたとのことです。
国際交流基金は、2015年度の韓国の日本語学習者は55万6,237人で、
前回調査の84万187人と比較すると減少したと報告しています。
その理由は、中等教育課程で第二外国語が必修からはずされたことと
少子化が背景にあるとしています。
今後は、成人の日本語学習者が増えることを期待します。
写真の一番上は「多文化センター・多隣」、
一番下の写真は「時事日本語学院」で撮ったものです。
スクーリングの後、皆さんで食事会をしたのですが、
短大で日本語教育を勉強した後渡韓した方も三人来られました。
今回のスクーリングでは多くのことを学びました。
その経験を今後は自分自身の日本語教育に生かしていきたいと思います。
愛知産業大学短期大学
川崎 直子
二日間スクーリングだったのですが、両日とも会場が違いました。
初日は「多文化センター・多隣」で行いました。
今回のスクーリングのテーマが「韓国の多文化家族支援法」だったため、
このセンターで授業ができてとても幸運でした。
韓国では、外国人家庭に対する政府の支援があるということは、
一般的にはあまり知られていないようです。
受講した学生さんたちも全員、多文化家族支援が法律として確立していることを
初めて聞いたと言っていました。
私自身愛知県西部地区で外国人の子どもの日本語支援活動を行っていますが、
日本での外国人家庭への支援は自治体あるいは市民団体任せなところがあります。
スクーリング会場の隣の教室では、日本にルーツを持つ小学生の子どもたちが
10人日本語の授業を受けていました。
講師の先生方は皆さん継承語教育を研究されている方たちです。
授業の開始時、TVアニメ「忍たま乱太郎」の「勇気100%」の一番の歌詞を日本語で、
二番を韓国語で元気に歌って子どもたちは盛り上がっていました。
その後、わらしべ長者の動画を観て、漢字の成り立ちの勉強、
そして漢字カード取りゲームをしていました。
日本でも「母語教室」は開かれていますが、韓国のように国が全面的に予算を出して
行っているわけではありません。
母語というものは、手当てをしなければ確実に失われていく危ういものです。
日本語を指導しつつ、子どもたちの母語をいかに保持させていくのかは、
地域で活動する支援者の課題のひとつです。
母語の大切さを知るということは、二つの言語と二つの文化を身に着けることにつながり、
自分の将来の選択肢が大きく広がることになります。
韓国のスクーリングでは、最終日に学生さんにスピーチをしてもらいました。
「自分が紹介したい土地」について、30分程度の準備時間の間に日本語で原稿を書き、
それにまつわる写真を自分のスマホから選んで
プロジェクターで写しながらスピーチをするというものでした。
どの学生さんも3分間という制限時間をオーバーして、
時にユーモアを交えて伸び伸びとスピーチしてくれました。
このスピーチだけでなく、他の科目のレポートも日本人学生と同じ課題について
日本語で書くわけですから、皆さん、本当に努力して日本語の勉強をされています。
学生さんの何人かは、日本のポップカルチャーの影響で日本語を勉強し始めたという方もいましたが、
日本語能力試験N1(1級)を持っている人は、
小さいときから日本語をコツコツと学んできたとのことです。
国際交流基金は、2015年度の韓国の日本語学習者は55万6,237人で、
前回調査の84万187人と比較すると減少したと報告しています。
その理由は、中等教育課程で第二外国語が必修からはずされたことと
少子化が背景にあるとしています。
今後は、成人の日本語学習者が増えることを期待します。
写真の一番上は「多文化センター・多隣」、
一番下の写真は「時事日本語学院」で撮ったものです。
スクーリングの後、皆さんで食事会をしたのですが、
短大で日本語教育を勉強した後渡韓した方も三人来られました。
今回のスクーリングでは多くのことを学びました。
その経験を今後は自分自身の日本語教育に生かしていきたいと思います。
愛知産業大学短期大学
川崎 直子